卒業記念会 報告



送辞

ご卒業の皆さん、本日は誠におめでとうございます。

皆さんの新しい門出に際し、せん越ではございますが、在校生を代表し、お祝いの言葉を述べさせて頂きます。

私事ではございますが、私60歳まで会社勤めしておりました、まさに会社人間です。
良い意味でも、悪い意味でも上下関係を中心とした組織で長らく過ごして参りました。
その様な事から、この学院に入学し、先ず感じた事は、若い方から私の様に還暦を過ぎた人、
仕事をしながら、勉強されている方、更に、既にこの業界で仕事をされながら一層のステップアップの為に勉強されている方、
本当に様々な方が、同じ目標に向かって、積極的に勉強されている点。とても新鮮だと感じました。
ご卒業される皆さんも、色々と工夫され、一生懸命努力された結果が今日に繋がったのではないかと思います。

会社ですと、遣らされ感、義務感が優先されます。 学院は、その様な縛りは無く、
「自由闊達、本人の努力次第」で、それぞれの目標が達成出来る場所であると思います。
ご卒業の皆さんも、その様にお感じになっておられたのではないでしょうか。

目標達成に向けては、日常生活において、事務局の方々、学科、実技においては、様々な施術方法、そして、この仕事に必要不可欠なファクターであるコミュニケーションの取り方等、各先生のご経験に基づき、教えて頂く事が出来ました。特に、実技の授業においては、卒業される皆さんの施術は先生にも匹敵する位、大変参考になりました。
実例として、実技の終了試験前には、授業後に補講として教えて頂きました。大変ありがたい事ですし良い思い出です。

ご卒業される皆さんは、今後、学院で学んだ事を、仕事という実践の場でご自分の目標を一日も早く達成される事を、祈念しております。

最後になりますが、私が、以前から好きであった言葉をお送りし、送辞とさせて頂きます。

「Chaseyour dreams, Never stop trying, Never stop learning」です。
「夢を追い求め、常に挑戦しよう、学び続けよう、、」です。

どうもありがとうございました。

答辞

秋の訪れを感じるこの良き日に、私達、第六十期生は、東京療術学院を卒業致します。
本日は、私達のために、このような素晴らしい式典を挙行していただき、誠にありがとうございます。

卒業を迎えるにあたり、皆様から数々のお祝いや励ましのお言葉を頂戴し、感謝と喜びの気持ちでいっぱいです。

この度、卒業という良き日を迎えることができましたのは、学院長先生をはじめ、諸先生方の優しく、時には厳しいご指導と、いつも私達に寄り添い、様々な相談に対して親身になって応対し、より良い学びの場を与えて下さった職員の皆様方、共に支え、刺激し合い、力を合わせて学んできた卒業生、在校生の皆様のおかげです。心より感謝を申し上げます。

また、私達の勉学を応援してくれた、家族にも心から感謝の意を表したいと思います。

振り返りますと、私達、第六十期卒業生は、それぞれが高い志を持ち、夢と目標の実現に向け入学し、
療術を通して多くの方々のお役に立ちたいという想いを胸に、知識•技術の向上に励んで参りました。

私は、入学前に色々な病気を患い、長期間寝込むこともあり、仕事を続けることもできなくなり、辛い思いもしてきました。

また、顔面神経麻痺になったときも、病院で何度もブロック注射の治療を受けておりましたが、症状が重く一向に改善することなく、まばたきも出来ず、ロも完全に閉じることが出来ない状況で、食事をすればこぼしてしまい、人前に出ることも嫌になり、写真に映ることも嫌で仕方ありませんでした。
このような状況が一生続くのではないかとも思いました。
しかし、そのような状況のときに偶然であるのか必然であるのか、顔の施術が出来る方に出会い、まだ麻痺は残っている状況ではありますが、外見上はあまり目立たない程に改善しこのように皆様の前でご挨拶させていただけるようにもなりました。

また他にも、私自身肩こりや背中の張りが非常に強く、 寝込むほど具合の悪くなることもありましたが、出会った整体院の先生の手技で身体も楽になることも知り、私も同じような経験により、辛い思いをされている方々のお役に立ちたいと思い、心機一転、一念発起し入学することに致しました。

入学後に始まった学科では、元々人の身体の仕組みについて興味のあった私ですが、東洋医学や経絡経穴では、難しく不安を感じることもありました。初めての実技では、大変緊張し、人の身体を触ることに恐怖を感じたことを、今でも鮮明に覚えています。

しかし、先生方の熱心なご指導や、様々な質問や疑問にも、お時間を取って答えていただいたことにより、徐々に授業にも慣れ、また、 高い向上心を持つ学院生の刺激も受け、もっとたくさんの知識を得たい、もっと実技を上手くなりたい、もっと色々な手技を学びたいと思い、授業に出ることが楽しくなりました。

さて、現代社会において、心身ともに疲れている方が多い昨今、私達のような療術師の活躍の場が広がっております。施療をすることにより誰かの役に立ち、癒やすことにより、喜んでいただくという、非常にやりがいのある仕事です。しかし、同時に正しい知識を持ち、正しい施療をしなければならないという、重い責任も背負います。

今回、卒業という―つの節目を迎えますが、これがゴールではなく、通過点であるということを意識し、「生涯勉強」の 精神を忘れることなく、一人でも多くのお客様に満足していただき、Qualityof Life (生活の質)を高めることが出来るような、引き出しの多い療術師になるため、今後も日々研鑽を重ねて参りたいと、身の引き締まる思いでもあります。

これからも、たくさんの壁にぶつかるでしょう。一人で乗り越えることの出来ない壁もあるかもしれません。しかし、
私達には相談したり悩みを分かち合うことの出来る、東京療術学院という「家」があり、そこにいらっしゃる先生方、職員の皆様方、学院生のみなさんという「家族」がいます。一人ではないという心強さがあることにより、様々なことに挑戦し続けることが出来ると思います。

これから、一人ひとり違う道を歩むことになると思いますが、 挑私は、今まで経験してきた病気などで、辛い思いもしました。
しかし、その経験が出来たことを宝物として大切にし、同じように辛い思いをしている方々に少しでも寄り添うことの出来る療術師を目指して、技術だけではなく人間性も磨き続けて参りたいと思います。

卒業生、在校生の皆様、これからもこの学院で出会った、たくさんの仲間とのご縁を大切にし、多くの方々から信頼を寄せていただける療術師を目指して参りましょう。
そして、先生方、職員の皆様方、これからも私達を見守りご指導ご鞭撻下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。

最後に、今年三十周年を迎えました東京療術学院が五十周年、百周年と続きますよう、ますますのご発展と、ご列席いただきました皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げまして、答辞とさせて頂きます。


名誉学院長 帯津良一先生よりメッセージ